2023年3月14日 (火) 〜 2023年3月21日 (火)
13:00 〜 20:00
gallery HAKUSEN
https://hakusen.jp/
体の外側に存在するもの=写真、と思われがちですが、写真は私たちの内側にも存在するものと言えるのではないでしょうか。空間という外的な要素によって捉えられるだけでなく、写真は私たちの目、あるいは身体全体から、内的にも受け取られます。写真は私たちの内にも存在するがゆえに、私たちの存在する限りその意味や価値を持ち続けるものでもあります。
人間は自ら意識的に輪郭を描くことのできる唯一の生き物です。その描かれた境界は最適解のないものであり、常に曖昧で、まるで彼岸と此岸のように、認知できるものとできないものとの間で揺れ動いています。写真の被写体も同様に、私たちの欲望や願望によって異なる認識が生まれることがあります。
この展示は、私たちが内に持つ輪郭と、私たちの外にある輪郭という二つの概念を探求し、その認知の揺れ動きを表現しようとするものです。境界の曖昧さゆえに私たちは互いに異なる認識を持つことがあるかもしれません。ですが、その矛盾や破綻を嘆くことはありません。写真とはそのまま、在りがちに存在するものであり、その在り方を受け入れることで、私たちは自己の在り方を問い直すことができるかもしれません。
坂井竜治